弦の話

悩ませる種。
ざっと種類を考えても
ガット、スチール、ナイロン。

更にはその組み合わせ、
ガットコアスチール巻、
ガットコア銀巻
ガットコア銅巻
ナイロンコアタングステン巻、
スチーコアナイロン巻、等々。

金属も細分化して、
鉄、ニッケル、ステンレス、銅、クロム、チタン等々

更にはメーカー各種。
楽器屋にしかなかったものが
ネットで注文、即入手な時代へ。

もう殺してくれと言わんばかりの情報過多。

とは言うものの、私は
「ガット弦だ!だって昔の弦はガットしか無いじゃないか!」
と声高らかに信じていました。

なのでガット弦もラベラ、レンツナーに始まり
無名のヤフ○クで売ってるヤツ、
TORO社、Gerald Genssler(通称GG弦)、EFRANO、、、
まだあるけどパッと思い浮かぶのはこのぐらい。
もちろんフェイクガット系も手を出した。

金額を考えると怖い。
消耗品と考えると良いかも知れないが、やっぱり怖い。
とある有名サイトで、弦の音をピチカート、弓など
録音してバックアップしている強者もいる。
スマホなどで録った物も
動画投稿サイトなどでも見つけることはできる。
簡単動画では音は話にならないが。

参考にはなるが
実際自分の楽器に張ってみないと解らないものが多い中
試すには相当な覚悟がいる。

と、思い込みガットプライドを固めつつ仕事もしていたが、
とある録音スタジオで急に理解することもあるわけ。
ああそういう事かと。

マイクなんぞ超高性能で吐息がうるさいぐらいの一級品。
楽器は一流職人が施した物。
そんな状態でガットは話になりませんでした。

昔の写真見て下さいよ。
適当にアナウンサーが使うようなマイクで、
座布団で巻いて駒の間に突っ込んで。
楽器も合板の調整も適当。
そういう状況でガットは活きていたと感じます。

とりあえず録音は済ませたけど、
自分のプライドはキレイに飛んでいきました。

ましてや、ピチカートしたり弓弾いたりしてるので
どっちも対応できる弦なんてありゃしないのだ。

誰かが言ってた
「スピラコアに始まりスピラコアで終わる。」

釣りと一緒だ。

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